自然体験

自然体験 · 21日 8月 2021
タコノキとクワガタ
我家の入り口に立っているシンボルツリーのタコノキの実が初夏から熟れ始めると最初にリュウキュウハナムグリが集まってきました。真夏になると落ちたタコノキの実に八丈島の固有種ハチジョウコクワガタが集まり始めました。タコノキの実は、パイナップルに似た甘い匂いがする繊維に包まれています。この匂いに誘われて様々な昆虫が集まってきます。現在の最大勢力は、ハチジョウコクワガタで、100匹以上集まっています。ハチジョウコクワガタは、内地のコクワガタよりも赤色が強い体色をしています。オスで25㎜から50㎜と個体差があり、全体としては小さい個体が多く見られます。また我家の庭には、繁殖できる林はないので、かなり遠くから飛んできているようです。そろそろ熟れたタコノキの実も残り少なくなってきました。秋には生まれ故郷の林に帰って朽木に産卵します。来年も多くのハチジョウコクワガタが我家のタコノキの実に集うのを楽しみにしています。
自然体験 · 26日 7月 2021
八丈小島
2021.7.24 島内の子どもの自然体験活動を行っている「八丈島自然子クラブ」の八丈小島ツアーにスタッフとして参加した。八丈小島は、八丈島から約7.5km離れた周囲8.7kmの島。江戸時代には、500人以上の島民が住んでいたが、1969年に30世帯93人の島民が集団離島した後は、東京都が所有する無人島となっている。離島する際に残したヤギが野生化し、800頭まで頭まで繁殖。ヤギが島の草木を食い尽くしたために崖崩れが進む等環境への負荷が深刻となったため2001年から5年間をかけて駆除が行われた。小島ツアーは、八重根漁港から釣船優宝丸に乗り、八丈小島の鳥打地区の船着き場跡に上陸。準絶滅危惧種に指定されている大型の海鳥クロアシアホウドリの繁殖地を見学した。八丈小島は、特別天然記念物のアホウドリの繁殖も確認され、将来アホウドリ類にとって有益な繁殖地となると見られている。この他にも大型のオカヤドカリや本島ではイタチの餌になり激減してしまったオカダトカゲも観察できた。ツアーでは、海遊びや磯もの採りも行った。昼食は、スタッフが銛で突いてきたアカハタ、イシガキダイで味噌汁を作って食べた。
自然体験 · 02日 7月 2021
リュウキュウツヤハナムグリ
写真は、我家のシンボルツリーのタコノキの実にあつまるリュウキュウツヤハナムグリ。八丈島ではカナブンと呼ばれています。正式和名は、リュウキュウツヤハナムグリ奄美大島亜種。奄美諸島に生息していたものが1985年頃に園芸植物に紛れて八丈島に移入したと言われています。体の色は、美しいメタリック調の緑色や銅色、白い斑点があるものもいます。ともかく数が多く、梅雨の晴れ間に盛んに飛び回っています。カナブンやハナムグリは飛ぶときカブトムシやカミキリムシのように固い羽根を立てずに薄い羽根を固い羽根の間から出して飛びます。その姿と飛び方、羽音がスズメバチと似ているので最初はびっくりしました。ちなみに八丈島には、今のところスズメバチは生息していませんが、2018年にセグロアシナガバチの巣が確認されました。アシナガバチの天敵はスズメバチくらいなので天敵がいない八丈島では今後増えていくと思われます。
自然体験 · 17日 6月 2021
アオスジアゲハ
亜熱帯気候の八丈島は、春先から蝶々が飛んでいます。その中でもよく見かけるのがアオスジアゲハです。黒い羽根に水色のストライプが入った美しい蝶々です。本土では高木の梢を飛んでいるイメージがあるのですが、八丈島では比較的低いところを数匹が一緒に飛んでいるのをよく目にします。アオスジアゲハは、4月から秋まで年数回発生します。幼虫は、ヤブニッケイやタブノキの葉を食べます。ヤブニッケイは、塩害にも強く、八丈島の海岸近くの森に多い樹木です。タブノキは神社の御神木になることもある樹形の美しい樹木です。これも塩害に強く八丈島では、防風樹として宅地や畑の周囲に植えられています。またタブノキは、八丈島ではマダミと呼ばれ、伝統工芸品の黄八丈の染料の原料にも使われています。黄八丈の樺色とも言われる赤みを帯びた明るい茶色は、タブノキの樹皮を煮詰めてつくった染料から生まれます。実は、我家の庭に多くのアオスジアゲハが集まることがあります。アオスジアゲハのお目当ては、庭を散歩するワンコのおしっこ。おしっこに含まれナトリウムは、活発に飛び回るアオスジアゲハにとっては、必要不可欠な栄養素と言われています。
自然体験 · 15日 6月 2021
ゴマダラカミキリ
6月に入るとゴマダラカミキリを見かけるようになりました。最初は、我家の庭のサルスベリやハイビスカスの葉にとまっているのを見る程度でしたが、先週末あたりから数が増えています。今日も近所の堤防で釣りをしていてると海に向かって飛んでいくゴマダラカミキリを見ました。八丈島では、幼虫はオオババヤシャブシの幹を成虫は葉を食べているそうです。ちなみにオオバヤシャブシはカバノキ科ハンノキ属の落葉樹で根に共生する根粒菌の働きで養分の少ない場所でも成長できるようです。2000年の三宅島の噴火による荒地で最初に根付いた樹木とも言われています。我家のある地区は、1606年の八丈富士噴火で流れ出した溶原の一部を戦後にダイナマイトで爆破して開墾した地区です。その時にできた溶岩の塊を土留めの石垣に使って階段状の畑と宅地にしました。この石垣部分や周辺の溶岩原にオオバヤシャブシが繁茂し、そこに寄生するゴマダラカミキリも増えたのかもしれません。
自然体験 · 13日 6月 2021
鉄壁山登山
三原山山系の鉄壁山(鴨川山)に登ってきました。 ここには、戦時中に日本軍が米軍の八丈島への上陸に備えて、秘密裏に構築した鉄壁山地下司令部壕があります。この壕は、4層構造となっていて強固なコンクリートで作られているそうです。この壕は、サイパンが陥落し、敗戦が濃厚になった時期に現在の島民の3倍以上の2万6千人の軍人・軍属を動員してつくられました。鉄壁山という呼び名は、軍隊の士気を高めるために名付けたと言われています。 八丈島は、島全域に戦争遺跡があります。橘丸が着く底土港近くには、人間魚雷「回天」の基地があり、八丈島空港も特攻機の中継基地としてつくられました。また島内には総延長が60㎞にも及ぶ地下壕が張り巡らされ海岸沿いの絶壁や山中に砲台や地下壕出入口の跡が数多くあります。また公園や植物園には、分厚いコンクリート製のトーチカも残っています。猫が住み着いている八重根港の石垣も実は、米軍上陸に備えた陣地跡です。八丈島では、島内の戦史遺跡を後世に伝えようという機運が高まっています。 私は、八丈島歴史民俗資料の整備検討委員会のメンバーとして、戦史遺跡の保護と広報活動を進めたいと考えています。
自然体験 · 07日 6月 2021
羽アリとヤモリ
昨晩、羽アリが島内のあちらこちらで大発生しました。八丈島の梅雨の風物詩です。羽アリの大発生時に車を運転すると前が見えなくなるほど発生する年もあるそうです。また夕方海辺の街路灯の周りでウミネコが騒ぐのが羽アリ発生の予兆という人もいます。我が家も網戸のすき間や天井のすき間から侵入されました。最初は、掃除機で吸い取っていたのですがきりがなく、結局蚊用の殺虫剤をプッシュして寝てしまい、今朝に掃除をしました。 ヤモリの話に戻ります。昨晩、我家の前にある街路灯にも羽アリが大量に舞っていました。よく見ると街路灯の電柱にたくさんのヤモリが集まっています。どうやら大発生した羽アリを捕食するためにヤモリも集まってきたようです。八丈島での羽アリの大発生は、年一回の数日間。ウミネコもヤモリも大発生する日がわかるのでしょうか。羽アリは、新しい女王アリとオスアリですから栄養価が高いことは間違いないようです。 八丈島には、在来種のニホンヤモリと1980年ごろに入ってきたナミヤモリの二種類のヤモリがいるようです。ヤモリは住んでいる環境で体色が変わるので、色違いの同種と考えていました。今晩はじっくりと観察してみます。
自然体験 · 02日 6月 2021
タイワンクツワムシ
庭の草取りをしていると葉陰から大きなバッタが飛び出してきました。タイワンクツワムシです。名前にタイワンと付いていますが外来種ではありません。本州より南に生息するキリギリス科最大の昆虫で7センチ以上になります。体の色が緑色のタイプと写真のように褐色のタイプがあります。八丈島では褐色が多いようです。夜行性で昼は葉陰に隠れています。主に春と秋に「ギィ・ギィ・ギュルル・・・」とかなり大きな声で鳴きます。成虫で冬越しして、八丈島では真冬でも暖かい日の夜によく鳴いています。八丈島には1980年頃に観葉植物に付いて入ってきたと言われています。現在は島内全域でみられます。八丈島は、観葉植物の栽培が盛んで、数多くの国内外の熱帯・亜熱帯性の植物が移入されました。そうした植物に付いてきたさまざまな生き物が繁殖しています。タイワンクツワムシ、サツマゴキブリ、アマミサソリモドキ、ヤンバルトサカヤスデ、アシジロヒラフシアリとくにヤスデとアリは大発生して家に入り込み問題となり、八丈町が殺虫剤購入に補助金を付けたり、駆除の実証実験をしています。丁度今はアリの巣別れのシーズンで我が家でもアリとの戦いが続いています。
自然体験 · 02日 6月 2021
アマミサソリモドキ
庭の草取りをしていたらアマミサソリモドキが10匹以上出てきました。大きいものは10㎝近くあり、かなりインパクトのある生き物です。サソリに近い仲間ですが、毒はなく、刺激すると強い酢酸臭のガスを出します。以前ワンコがちょっかいを出してガスをかけられて、目と周辺が炎症を起こしたことがあります。幸い2日ほどで治りましたがガスは臭いだけでなく、酸性度も強いようです。 八丈島で初めて見つかったのは 1968 年頃ですが、現在は島のいたる所で見ることができます。 奄美諸島などから八丈島に持ち込んだ園芸植物に付いてきたと言われています。 日中は石や落ち葉の下、植物の陰に潜んでいて夜になると活動します。電燈に集まったり、家の中に入ってくることもあります。
自然体験 · 31日 5月 2021
オカヤドカリ
2021.5.31 ワンコと底土海岸を散歩していると砂浜に打ち上げられた流木の陰で何かが動いている。 よく見ると3㎝位のヤドカリが歩いていた。 陸棲のムラサキオカヤドカリだ。小さいときはクリーム色で体が大きくなると紫色になる。。このヤドカリは、熱帯から亜熱帯の海岸や海岸近くの森に棲んでいて、夜行性で昼間は石や植物の陰に隠れている。 オカヤドカリは、ペットショップで販売しているが実は、国指定の天然記念物。八丈島での採集は禁止されているが沖縄の指定業者が捕獲したものに限りペットショップでの販売と飼育が認められている。 八丈島には、オカヤドカリの他に5種類の天然記念物が生息している。 鳥類のカラスバト、イイジマムシクイ、カンムリウミスズメ、アカコッコとシダ類のヘゴの自生北限地帯だ。このうちアカコッコは、八丈島では「こっこめ」と呼ばれ、町の鳥にもなっている。

さらに表示する